(1) 遺伝学的検査は以下の遺伝子疾患が疑われる場合に行うものとし、原則として患者1人につき1回算定できる。ただし、2回以上実施する場合は、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
  ア  PCR法、DNAシーケンス法、FISH法又はサザンブロット法による場合に算定できるもの
   ①  デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー及び家族性アミロイドーシス
   ②  福山型先天性筋ジストロフィー及び脊髄性筋萎縮症
   ③  栄養障害型表皮水疱症及び先天性QT延長症候群

  イ  PCR法による場合に算定できるもの
   ① 球脊髄性筋萎縮症
   ② ハンチントン病、網膜芽細胞腫及び甲状腺髄様癌

  ウ  ア、イ及びエ以外のもの
  ① 筋強直性ジストロフィー及び先天性難聴
②  フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症(1型)、アルギノコハク酸血症、イソ吉草酸血症、HMG血症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、MCAD欠損症、VLCAD欠損症、CPT1欠損症、隆起性皮膚線維肉腫及び先天性銅代謝異常症
③  メープルシロップ尿症、メチルマロン酸血症、プロピオン 酸 血 症、 メ チ ル ク ロ ト ニ ル グ リ シ ン 尿 症、MTP(LCHAD)欠損症、色素性乾皮症、ロイスディーツ症候群及び家族性大動脈瘤・解離
   
  エ  別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において検査が行われる場合に算定できるもの
  ①  ライソゾーム病(ムコ多糖症Ⅰ型、ムコ多糖症Ⅱ型、ゴーシェ病、ファブリ病及びポンペ病を含む。)及び脆弱X症候群
②  プリオン病、クリオピリン関連周期熱症候群、神経フェリチン症、先天性大脳白質形成不全症(中枢神経白質形成異常症を含む。)、環状20番染色体症候群、PCDH19関連症候群、低ホスファターゼ症、ウィリアムズ症候群、アペール症候群、ロスムンド・トムソン症候群、プラダー・ウィリ症候群、1p36欠失症候群、4p欠失症候群、5p欠失症候群、第14番染色体父親性ダイソミー症候群、アンジェルマン症候群、スミス・マギニス症候群、22q11.2欠失症候群、エマヌエル症候群、脆弱X症候群関連疾患、ウォルフラム症候群、高IgD症候群、化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群及び先天異常症候群
③  神経有棘赤血球症、先天性筋無力症候群、原発性免疫不全症候群、ペリー症候群、クルーゾン症候群、ファイファー症候群、アントレー・ビクスラー症候群、タンジール病、先天性赤血球形成異常性貧血、若年発症型両側性感音難聴、尿素サイクル異常、マルファン症候群、エーラスダンロス症候群(血管型)、遺伝性自己炎症疾患及びエプスタイン症候群

   

(2)  (1)のアに掲げる遺伝子疾患の検査は、PCR法、DNAシーケンス法、FISH法又はサザンブロット法による。(1)のイに掲げる遺伝子疾患の検査は、PCR法による。

(3)  検査の実施に当たっては、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成29年4月)及び関係学会による「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(平成23年2月)を遵守すること。

(4)  (1)のエに掲げる遺伝子疾患に対する検査については、(3)に掲げるガイダンス及びガイドラインに加え、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。

(5)  「1」の「処理が容易なもの」とは、アからエの①に掲げる遺伝子疾患の検査のことをいう。

(6)  「2」の「処理が複雑なもの」とは、アからエの②に掲げる遺伝子疾患の検査のことをいう。

(7)  「3」の「処理が極めて複雑なもの」とは、ア、ウ及びエの③に掲げる遺伝子疾患の検査のことをいう。