| はじめに |
| 1.甲状腺の構造と機能 |
図1-1 甲状腺の局在
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図1-2 濾胞構造
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図1-3 甲状腺ホルモンの構造
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甲状腺には、濾胞上皮細胞以外に濾胞に面しない傍濾胞細胞(C細胞)が存在し、カルシウム調節ホルモンであるカルシトニンを分泌する。
(1)ヨードの能動的摂取が起こる(ヨードシンポーター;Na/I symporter;NISが活性化される)。
(2)取り込んだヨードを有機化する(甲状腺ペルオキシダーゼ;thyroid peroxidase;TPOが産生され、ヨードイオンを酸化してチロシンに結合させる)。
(3)ヨードチロシンの縮合によりT4、T3を合成する(この過程にもTPOが関与する)。
(4)コロイド小滴の細胞内取り込みとTgの水解によるTHの産生・分泌を起こす。
(5)Tgの合成を促進する。
(6)濾胞上皮細胞の増殖による甲状腺の腫大を起こす。
| 2.甲状腺の病気 |
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図2-1 バセドウ病の病態
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| 疾患名 | 発生比率 | 生命に関する予後 |
| 乳頭がん | 85〜95% | >85%/10年 |
| 濾胞がん* | 5〜7% | 65〜80%/10年 |
| 未分化がん | 〜1% | ≒0%/1年 |
| 悪性リンパ腫 | 1〜3% | 60〜80%/5年 |
図2-3 分化型甲状腺がんにおける全摘および131I療法![]() |
| 3.甲状腺に関する検査 |
| 略号・通称名 | 正式名称 |
| TSH TBG FT4 FT3 T4 T3 T3U TRAB TSAB TPOAB マイクロゾームテスト TgAB サイロイドテスト TG(サイログロブリン) |
甲状腺刺激ホルモン (Thyroid stimulating hormone) T4結合グロブリン (Throxine binding globulin) フリーT4・遊離サイロキシン (Free thyroxine) フリーT3・遊離トリヨードサイロニン (Free triiodothyronine) トータルT4・総サイロキシン (Total thyroxine) トータルT3・総トリヨードサイロニン (Total triiodothyronine) T3摂取率 (T3-uptake) TSHレセプター抗体・甲状腺受容体抗体 (TSH recepter antibody) 甲状腺刺激抗体 (Thyroid stimulating antibody) 抗TPO抗体 (Anti TPO antibody) マイクロゾーム抗体 (Anti thyroid microsomal antibody) 抗サイログロブリン抗体 (Anti tyroglobulin antibody) TgPA抗体 (Thyroglobulin antibody by passive agglutination) サイログロブリン (Thyroglobulin) |
図3-1 TSHとFT4の相関![]() |
図3-3 TRH負荷試験による甲状腺機能低下症の識別![]() |
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図3-2 TSH高感度法測定原理
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| (1)甲状腺機能亢進の良い指標である。 (未治療例では甲状腺摂取率、甲状腺腫の大きさ、 組織学的に濾胞上皮細胞の増殖度などと相関する) (2)バセドウ病治療経過、ことに寛解の判定に有用である。 (3)しかし、未治療例の検出率は100%ではない(約90%)。 (4)機能低下症の一部にも検出され、バセドウ病特異的とは云えない。 (5)TBIIが機能亢進を起こしていることの確証がない。 (TSHの結合阻害性を見ているのみで、TBIIが甲状腺を刺激するという明確な所見は得られていない) |
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(1)感度が良好で、未治療例ではほぼ100%に検出される。 (2)バセドウ病眼症の良い指標である。 (機能正常の眼症例ではTBIIは陰性または低値であるが、TSAbは高率かつ高力価に検出される) (3)出産後のものを含めて、亢進症発症の予測に有効である。(機能正常時から検出される) (4)しかし、培養細胞を用いることから毎回条件が異なり、測定データの標準化が困難である。 (TSHを標準物質として用いて標準化を図っているが、TSHとTSAbの作用機序は異なるので十分とは云えない) (5)機能正常時にも検出できることは、TSAbのみでは機能亢進を起こさないことも考えられる。 (バセドウ病眼症で機能正常時にはTSAbのみ高く、機能亢進発症時にはTBII も上昇する) |
図3-4 正常人及び結節性甲状腺腫患者における血中サイログロブリン(Tg)濃度![]() |
図3-6 甲状腺分化型21症例における手術及び131I大量投与療法前後における血清サイログロブリン(Tg)濃度の経時的変動![]() | |
図3-5 分化型甲状腺癌で甲状腺全摘術を受けた患者の血中サイログロブリン(Tg)濃度
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| 4.甲状腺疾患診療上のポイント |
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図4-2 甲状腺疾患毎の性別分布及び性比
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図4-3 各種甲状腺疾患における年齢分布![]() |
図4-4 各種甲状腺疾患における甲状腺腫の性状
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表4-3 甲状腺疾患初期診療検査:2項目選択時の上位5項目
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表4-4 甲状腺疾患初期診療時検査必要項目
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| 亢進症:TSH、FT4、TBII、T3、摂取率検査、anti-M、(エコー) 低下症:TSH、FT4、anti-M、摂取率検査、エコー、T3 びまん性甲状腺腫:TSH、FT4、anti-M、anti-Tg、T3、エコー 結節性甲状腺腫:エコー、細胞診、TSH、Tg、FT4、シンチグラム |

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1)バセドウ病を診断するとき(TBIIまたはTSAb) 2)抗甲状腺剤投与1年後に治療効果を判定し、以後の方針を立てるため(TBII) 3)機能正常な眼症に際して、甲状腺との関連を知るため(TSAb) 4)臨床所見が曖昧で摂取率検査が行えないときに、甲状腺中毒症をバセドウ病と診断するため(TBII、TSAb) 5)機能低下症をさらに分析するため(TSBAb、TBII) 6)過去または現在自己免疫性甲状腺疾患を持つ妊婦に対し、出産後における本人および新生児の異常を推定するため(TSAb、TSBAb、TBII) |
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図4-7 無痛性甲状腺炎による一過性組織破壊後の甲状腺機能の変動モデル![]() |
表4-9 バセドウ病か破壊性甲状腺炎か?
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| 図4-10 機能性甲状腺癌の症例の131Iによる甲状腺及び肺野のシンチグラム
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| 5.一般診療における甲状腺機能異常に対する考え方について |
| おわりに |