腫瘍マーカー検査
1.何がわかるか-----基礎知識
- CEAは、もともと胎児の消化器組織だけにみられる蛋白の一種です。
- 消化器系の癌患者の血液に多いことから、これらのスクリーニング検査に用いられます。
- 癌の手術や治療後の癌の再発・転移などの発見にも役立っています。
2.異常値-----疑われる病気や異常
検査詳細情報
3.どうすればよいか-----日常生活上の注意
- CEAが中等度以上高値の時は、消化器系を中心とした病気診断のための検査を受ける必要があります。
- 消化管では、注腸X線検査、大腸内視鏡検査、胃透視X線検査、胃内視鏡検査をする。
- 肝臓、胆のう、膵臓関係では、腹部超音波検査、CT検査を行います。
- これらの検査で異常がない場合は、肺、甲状腺、乳腺、卵巣、子宮など、全身の検査が行われます。
1.何がわかるか-----基礎知識
- AFP(α−フェトプロテイン)は、もともと妊娠早期の胎児にみられる血清蛋白の一種です。
- 健康な成人の血液に含まれず、原発性肝癌の患者の95%の血液に含まれるため、肝癌の腫瘍マーカーとして用いられています。
- AFPは、肝炎や肝硬変でも測定値が上昇します。
- そのため、肝癌をはじめ、肝臓病の早期発見、診断、病状の経過観察などに役立っています。
2.異常値-----疑われる病気や異常
検査詳細情報
3.どうすればよいか-----日常生活上の注意
- AFPの値は、急性肝炎や肝硬変の治癒期にも、上昇する事があります。従って、これだけで判断することはありません。
- その他の肝機能検査や、B型肝炎ウイルス検査などを行って肝臓の病態を調べ、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌などを診断します。
- 腹部超音波検査やCT検査など、画像診断装置でさらに詳しい検査を行います。
- 特に、超音波検査では、得られる情報が多く、肝機能に異常がある場合には欠かせない検査です。
1.何がわかるか-----基礎知識
- 膵癌や胆のう・胆管癌などの消化器系癌におかされると、患者の血清中にCA19−9と呼ばれる物質が著しく増加します。
- そのため、CA19−9は、消化器癌の血清腫瘍マーカーとして広く用いられており、とくに膵癌の診断に役立っています。
検査詳細情報
2.異常値-----疑われる病気や異常
3.どうすればよいか-----日常生活上の注意
- まず消化器系を中心とした検査が必要です。
- 肝機能検査や膵臓系の酵素などを組み合わせて検査している事が多いので、それらの結果を組み合わせてどこの病気か推測します。
- 次に、腹部超音波検査や、CT検査を行い、さらに内視鏡を用いた膵管・胆管造影検査、上部消化管や大腸関係の検査も行い、詳しい診断をします。
1.何がわかるか-----基礎知識
- からだの中の組織に酸素を供給する上で、鉄分は重要な働きをしています。
- この鉄分が不足する鉄欠乏性貧血ては、血液中のフェリチンという物質が減り、白血病や再生不良性貧血では、増えることが知られていました。
- ところが、最近、さまざまな悪性腫瘍があると、このフェリチンが増えることが、わかってきました。
- 今では、他の血液検査と組み合わせて、癌のスクリーニング検査や病状の判定、経過観察などに役立てられています。
2.異常値-----疑われる病気や異常
- 貧血、白血病
- 肺癌
- 大腸癌
- 肝癌
- 乳癌
- 肝炎
- 膵炎
- 膠原病など
検査詳細情報
3.どうすればよいか-----日常生活上の注意
- 他の腫瘍マーカーや血液検査を組み合わせて、疑わしい癌を推測します。
- さらに、超音波検査や各種のX線検査を行い、原因となる病気を追求します。
1.何がわかるか-----基礎知識
- 生活環境の欧米化とともに、50歳以上の男性に前立腺癌が目立つようになりました。
- その前立腺癌の診断に、長い間用いられてきたのがPAPです。
- 現在では50歳以上の男性向けに、前立腺癌のスクリーニング検査として広く用いられています。
検査詳細情報
2.異常値-----疑われる病気や異常
3.どうすればよいか-----日常生活上の注意
- PAPが高値を示した場合、専門の泌尿器科で前立腺を中心とした尿路系の検査をしてもらう必要があります。
- まず、肛門から指を入れて前立腺に触れる直腸診で前立腺の大きさや癌の有無を調べます。
- 癌が疑われれば、X線検査や内視鏡検査、さらに組織片を調べる生検などにより、病気を診断します。